「せっかく勉強して覚えたのに、テスト本番で思い出せない」
「十数年ぶりに実家に帰るのに、道に迷わない」
みなさんはこんな経験ありませんか?
覚えたことを忘れてしまう一方で、全然忘れない事ってありますよね。
今回は、そんな『記憶のしくみ』についての豆知識です!
3つの箱【長期記憶・短期記憶・感覚記憶】
『記憶』は大きく3種類に分けることができます。
1.長期記憶 2.短期記憶 3.感覚記憶
これは3つの箱をイメージしてください。
その3つの箱には、それぞれ『長期』『短期』『感覚』というラベルが貼ってあります。
「あれ?全然忘れないなぁ」というモノは『長期』の箱に
「覚えたのに忘れてしまう」というモノは『短期』の箱にそれぞれ収納されています。
この3つの箱は何が違うのでしょうか?
1つ目の箱『長期記憶』
この箱にモノを入れると、中身がこぼれないようにしっかりとテープでフタを塞がれ、探しやすいように整理された棚に置かれることになります。
たくさんの『長期』の箱がどこに置いてあるのか、リストも作ってあります。
必要になった時にすぐに探して取り出すことが可能で、取り出して使った後は、また厳重に保管されます。
・・・というイメージの箱です。
ここに、収納されると基本的に忘れることはありません。
冒頭にも書きましたが、十数年振りに実家に帰るからといって迷子にはなりませんよね?(笑)
他にも「自転車の乗り方」や「実家の電話番号」「親の名前」などはここに収納されています。
2つ目の箱『短期記憶』
この箱にモノを入れても、フタはされません。
それどころか穴が開いているので、持ち上げたり移動させたりすると、せっかく箱に入れたものが穴からこぼれ落ちてしまいます。
入れてしばらくは箱の中に入っていますが、時間が経つと
いつの間にか穴から落ちて無くなってしまう箱、それが『短期』の箱です。
テスト勉強の一夜漬けなどで何かを覚える時に、
覚えた直後、つまりは『短期』の箱に入れた直後は、
入れたモノがそこに見えていますが、アレコレしている間に穴から落ちてしまい無くなってしまいます。
なので翌日のテスト本番では思い出すことができません。
覚えたつもりのことを思い出せないのは、これが原因です。
3つ目の箱『感覚記憶』
あれ?この箱には底がありません。
モノを入れた瞬間にすぐ落ちてなくなってしまいます。
もはや箱というより筒ですね(笑)
この『感覚』の箱にはモノを入れることはできますが、
この中に留めておくことはできません。
実はこの箱は「何かを覚える」「暗記する」といった、一般的な「記憶する」というものではありません。
じゃあ、この箱は何に使うのかというと、
「見る」「聞く」「感じる」といった五感の部分で使われています。
例えば、自分のほっぺを「ポンッ」っと軽く触ってみてください。
そうすると触れた時の「軽い衝撃」「体温」「小さな音」などを感じましたよね?
でも次の瞬間には、その感覚は忘れてしまい明確なものでは無くなってしまいます。
この「感じる」ために一瞬だけ素通りする箱が『感覚記憶』なのです。
ですのでこれについては、ほかの2つの記憶『長期記憶』『短期記憶』とは少し毛色が違いますので、
「何かを覚える」に際しては特に気にしなくOKです。
『短期記憶』から『長期記憶』へ
では、忘れたくないことをちゃんと覚えるためにはどうした良いと思いますか?
そんな声が聞こえてきそうですが、
実はいきなり最初から『長期記憶』に入れることは基本的には不可能です。
では、どんな方法を使うと『長期記憶』に入れることができるようになるのかというと・・・
何度も何度も『短期記憶』に入れること!です。
『短期』の箱に入れて穴から落ちる、落ちたらまた入れる・・・これを繰り返していると、
そんなに大切なモノなら…と、いつの間にか『長期』の箱に入っています。
自分自身で意識して『長期記憶』に入れることはできませんが、
繰り返すことで最終的に『長期記憶』に入れることは可能なのです。
そして、この『長期記憶』に効率よく入れる方法の一つが、
『分散学習』です。
もし何か覚えなければいけないことがある時には、
この『短期』の箱と『長期』の箱の話を思い出してもらって、
『短期記憶』から『長期記憶』へ移動させることを意識してみると、
少し暗記が得意になるかもしれませんね♪
コメント